屏風の12扇には、三十六歌仙の内の十二人の肖像が金地に描かれている。御所の公式行事でのごとく盛装しており、女性は十二単をまとい、男性は束帯や狩衣と烏帽子などを着用している。歌人の上には詠んだ和歌が達筆な書で記されている。女性の歌仙が多く描かれていることから、この屏風は、婦人の室内用に注文されたものと思われる。
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為恭は、復古大和絵派の画家の中で、古典的な絵画の復興に、最も熱意を燃やした人物であった。技法を、数百年前の原画を丹念に模写することで習得し、さらに、宮廷の生活、儀式、衣裳の詳しい知識を独学で身につけた。 この絵の完成二ヶ月前に、長年希望していた官位を受けている。
幕末の騒乱期、為恭は、絵画の習得のため、幕府要人宅を訪問するところを見咎められ、後に尊皇派に追われ、42歳で暗殺された。
On each of twelv...
Size:
84 × 315 cm
Medium:
Pair of six-panel screens; ink, colors, and gold on paper
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